水位計は降水によって刻々と変動する河川の流量を観測し、洪水の防止や被害の軽減に貢献します。また高潮や津波などを予測するためにも用いられています。自然災害の多い日本では、昔から欠かせない道具のひとつでした。その一方で、河川だけでなくダムや農業用水の水位を計測し、漏水の発見や取水量の管理に役立てることもできます。最も簡単な水位の計測法は量水標の使用で、目盛りの付いた長い板を水辺や水の中の支柱に設置し、観測員が目視で読み取る方式です。あまりにも人手がかかることから、現在では河川における定時観測は廃止されています。かわりに多様な水位計が導入され、自動観測が実施されています。それぞれの測定方式にはメリットとデメリットがあり、使用目的に適した方式が採用されています。

フロート式とリードスイッチ式の特徴

水位計の原理は大まかに言えば接触式・投げ込み式・非接触式に分けられます。接触式は観測地点に観測井を設置し、その水面の高さを自動的に読み取ります。そのうちフロート式は浮きの位置を、歯車を介して機械的に記録装置へ伝えるものです。構造が単純で修理しやすく、電源がいらないため災害に強いというメリットがある反面、ゴミや泥が詰まって計測値がずれる恐れがあります。リードスイッチ式は接触式の一種で、フロートに磁石を取り付け、センサーの入った管と隣接させておきます。フロートの上下に応じて磁力でセンサーのスイッチが入るので、その高さを自動的に観測します。基本的には垂直に設置しますが、勾配のある場所に設置することもでき、デジタルデータを正確に記録できるのがメリットです。

投げ込み式と非接触式のメリット

投げ込み式には水圧式や水晶式があります。水の底へセンサーを設置し、水圧の変化を観測して電気信号に変換し、そこから水位を計算する方式です。接触式と違って大きな観測井を設置する必要がなく、いろいろな場所に設置できてコストダウンになります。ただし大気圧の変化を補正する必要があります。水晶式は水圧式の中でもセンサーに水晶を利用したもので、高感度ですが値段は高くなります。非接触式には電波式や超音波式などがあります。水上から水面へ電波や超音波を発射し、それが反射されてくるまでの時間から水位を計算します。電波式は比較的簡単な設備なので、多くの河川で用いられています。超音波式は高精度ですが、風速や気温や湿度などによってデータがずれるため、補正が必要になります。